拍手ありがとうございます妄想予告編。
暴風のようなバーサーカーの一振りで、セイバーの体は吹っ飛ばされてしまう。
駄目だ、このままではセイバーは死んでしまう。
衛宮士郎は彼女、セイバーを助けるために飛び出そうとし……
「な!」
セーバーとバーサーカーの中間地点に突如展開した魔法陣に足を止めた。
「え?」
「な、何なのあれ……アーチャー、解る?」
「いや、残念ながら見たことも無い術式だ、が……何か来るぞ!」
その魔法陣の中央に、光の粒子を伴いながら、一人の少女が現れる。
それは、何処かの学校の制服のような真っ白い服に身を包んで、奇妙な杖を手にした、未だ小学生くらいの少女だった。
ゆっくりと閉じられていた少女の眼が開かれる。
「? あ、あれ?」
自分の立っている場所に、戸惑ったかのような声をあげる少女。周囲を見渡し、彼女を見つめる複数の視線に気が付き、
「えっと、あれ? は、はわわわわ、そ、その、し、失礼しました!」
顔を真っ赤にして、大あわてで謝罪の言葉を口にする。
「空間転移……まさか、キャスター!?」
「ッ! バーサーカー、やっちゃって!」
銀髪の少女の叫びに答え、バーサーカーの斧剣が少女の体を宙へと打ち上げる。
「な! イリヤスフィール、アンタ!!」
「何? キャスターだったら敵だし、目撃者だったら消す必要があるでしょ? 大体、あんな空間転移を見せる人間が普通の訳ない、じゃ……え?」
イリヤスフィールの視線が驚愕に彩られる。バーサーカーの一撃に宙を舞ったはずの少女が、空中で仁王立ちになっていたのだから。
「痛ッーー! い、いきなり何するんですか!?」
「バーサーカーの一撃を受けて、痛いの一言で済ませる、か。出鱈目だな」
「話をする気は無いの!?」
「戦争中に戦争相手と呑気に話をする人が居るのかしら?」
「だったら!」
ガコン! と、少女の杖から無骨な音が響く。何故か杖から吐き出される薬莢。
「魔杖? まさかカレイドステッキ……なわけないわね。あんな奇天烈魔術礼装がそうそうあるとは思えないし」
「だが事実はもうちょっと奇天烈らしい。見ろ」
「私が勝ったら話を聞かせて貰うからね!」
空中の、少女の足下に浮かぶ巨大な魔法陣。
「アクセルシューター、シューーーット!」
「話を、聞かせてくれるんですよね?」
「ああ、そうだな。だがその前に自己紹介をさせて貰った方が良さそうだ。私はアーチャー。そしてこっちが私の主、遠坂凛だ。そして彼女がセイバー。その横の小僧がそのマスターだ。で、去っていった少女がイリヤスフィール。君が一度打ち倒したのがバーサーカー。……では君の名前を教えてくれるかね?」
「あ、はい。私、高町なのはです。えっと、小学四年生兼時空管理局武装隊士官候補生やってます」
「じくうかんりきょくぶそうたいしかんこうほせー?」
「というかさり気なく俺の名前を飛ばしてないかアーチャー」
予告 Fate/Raising our hearts,shooting your sinfulness
「ええ! 衛宮さんって士郎って名前なんですか?」
「ああ、そうだけど。どうかした?」
「い、いえ。ただ、お父さんと同じ名前なんでビックリしただけです」
「どうして……私を助けたの、フェイト?」
顔を歪める銀の少女。そんな彼女に、黒く染まったバーサーカーを打ち破った、光り輝く長大な剣を携えた金の少女が手を差し出す。
「友達に、なりたいと思ったんだ。私も君と同じだったから……イリヤ」
「桜さん、あかん! それはあかんよ! そんなことをしたら桜さんが傷付いてしまう」
「でも、私……」
「大丈夫や。今、みんながさくらさんを助ける為に一生懸命動いてる。そんな中でさくらさんがあきらめたらどないするん?」
「……はやてちゃんって、まるでお姉さんみたいね」
「いややなぁ。私の方が年下ですよ」
甲冑姿の女性が一閃した炎を纏う長剣を、手にした二刀で受ける赤き英霊。
「やるな、ならば!」
次の瞬間、その長剣が蛇のようにしなりながらその連結を解き、複雑な軌跡を描き襲いかかる。虚を突いたその攻撃を、
「投影、開始(トレース・オン)」
その手にどこからとも無く現れたまったく同じ武器を絡みつかせることで相殺する。
「何!」
「ふん、雑種風情が束になろうと、我の足下にも及ばんわ」
「それでも、うちらは貴方を止めるんや」
精一杯胸を張る小さな主。そしてその主に付き従うベルカの騎士。万の軍を持つ英雄王とたった四人の大軍を連れた魔法使いが激突する。
「リインフォース、セーットアップ!」
「遠坂さん達は地上へ戻ってください」
「ちょっと、アンタ達何を……」
「うちらはこれからあれを止めなあかんのです。ここまで来るともう管理局の領域ですから」
「はやてちゃん……」
「大丈夫です。アースラと……わたし達の戻るところと連絡が取れましたから。そっちのバックアップがあればあの孔を塞げます」
「フェイト……帰っちゃうんだ」
「イリヤ……」
「……ばいばい、元気で、ね」
その瞳に涙を溜め、それでも微笑んで思いを紡ぐ少女。
「……きっと! きっと何時か……会いに来るから。……友達、だから」
「……うん、うん! 友達、だから」
三人の魔法少女が冬木の夜を駆け抜ける。Fate/Raising our hearts,shooting your sinfulness、始まります。
「風は空に、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に! レイジングハート、セットアップ!」
嘘です、妄想の垂れ流しです、出来の悪い悪夢です、ありがとうございました。
追加のコメント 後日BLOGで書いた戯言
>なのはとのクロスの嘘予告、感動巨編になりそうだな、書くなら・・・
こういう拍手を頂きました。ありがとうございます。
さて、“リリカルなのは”とのクロスオーバーですが、一言で言うと無謀です。決定的になのは世界は型月世界と相容れないと思います。とくにFateとの相性は悪いです。頭の体操がてら考察っぽいことをしてみたわけですが、厳しいかと。
理由その1
型月の“魔法”が“魔術”に堕ちる。
少なくとも第二は崩壊しそうです。なにせなのはの所属するのは“時空管理局”です。次元世界を管理する司法機関、ということでつまり、人の手で実現可能になってるわけで。一応、そこのトップに宝石の爺が居るなら、とかこねくり回して考えてみましたが、辻褄というか、すり合わせのしようが無い状況です。
さらに、闇の書のリンカーコア収集とか転生プログラムを考えると第三も崩壊する可能性がある気がします。
理由その2
パワーバランスの異常さ。
言うまでもなく。純粋な砲撃とかだけでなく、補助系の方々の転送、結界、捕縛等々の魔法のどれをとっても乖離具合が凄まじいような。生身でサーヴァントとガチでヤれる異常事態が簡単に起こりそうです。サーヴァントの抗魔力を貫けるかどうかという点は在りますが。デフォルトで結界破壊機能を持つスターライトブレイカー+ならぶち抜く気もしないでもありません。そうでなくても、空中からの魔法掃射を何とか出来そうなサーヴァントってそうそう居ないような。キャスター、アーチャー、ライダー、宝具使用でセイバー、投げボルグくらいか?
とらいあんぐるハートとのクロスならまだしも、なのはクロスはこう考えると矛盾が出まくりますね。
話としては面白いとは思うのですが。
嘘予告通りに、イリヤとフェイトの境遇の近さや、聖杯に染まりつつある桜と闇の書に染まったことのあるはやて。まっすぐさという点では似ているなのはと士郎。その三チームによる偽HFルート。
最終戦は闇の書の防衛プログラムっぽい大聖杯の中のアンリ戦で、なのは組三人が地下空洞に残って他の人間を外に転送。外に放り出された士郎達が見たのは、大聖杯の在った場所に走る巨大な光の柱と、一瞬だけ姿を現すL級時空艦船アースラ。アースラの主砲に眼を瞑った士郎たちの視界が戻った時、全ては終わり、少女たちは元の場所へと戻った後だった。空を見上げた士郎たちの眼に舞い降りる雪。そしてサーヴァントたちの座への帰還。
そして数ヶ月後、衛宮邸のイリヤの元に届く彼方からの手紙。そこには再会の約束が書かれていた。顔をほころばせるイリヤたち。そこに玄関の呼び鈴が果たされる約束を運んで鳴り響く。でEND。
おお、戯れ言書いてて大雑把なプロットが完成してしまいました。
嘘ですから本気にしないで下さいね? 書かない、っていうか設定の矛盾が大きすぎるから書けませんですよ?